脂質は体に必要な栄養素
「油」、「脂肪分」といえば、アトピーの子どもの食事としては良くないものというイメージの方も多いのではないでしょうか。
悪役としてのイメージのがある脂質ですが、3大栄養素の一つであることから分かるように、とても大切な栄養素なのです。脂肪はエネルギーとして使われたり、脳や神経系、肝臓、筋肉などの細胞膜を形作っています。
このように大切な働きをする脂質ですが、脂質であればなんでもいいというわけではありません。アトピーの子どもの食事として、上手に脂質を摂るには脂質の種類を知り必要な脂質を適量摂ることが大切です。
脂質の種類
脂質にはいくつかの種類があります。
不飽和脂肪酸
多価不飽和脂肪酸(必須脂肪酸)
【オメガ3】魚油、亜麻仁油、シソ油など
【オメガ6】ゴマ油、米油、大豆油、なたね油など(常温で液体)
一価不飽和脂肪酸
【オメガ9】オリーブオイルなど
不飽和脂肪酸って何?
不飽和脂肪酸とは常温で液体の油で植物油と魚油に多く含まれていて、多価不飽和脂肪酸と 一価不飽和脂肪酸に分かれています。
魚油、ゴマ油、米油などの多価不飽和脂肪酸は私たちの体の中では合成することが出来ないので、必須脂肪酸とよばれ、毎日の食事の中から摂らなければなりません。
一方、オリーブオイルなどの一価不飽和脂肪酸は私たちの体の中で合成することが出来ます。なので、多価不飽和脂肪酸を適量とりつつ、一価不飽和脂肪酸を適度に使うというのが、理想的な脂質の摂り方になります。
必須脂肪酸のリノール酸をとろう
アトピーの子どもの毎日の食事に使うのは、リノール酸を含むゴマ油やこめ油、なたね油、 大豆油がおすすめです。
これらの油には人体で合成することの出来ない、必須脂肪酸であるリノール酸が多く含まれているからです。リノール酸は私たちの皮脂に最も近い性質を持っています。
食事の中で適量ずつ毎日摂ることが大切です。リノール酸は摂取量の目安は大人で1日大さじ1/2~1杯程度です。子どもはそれぞれの年齢に応じて調整しましょう。不足すると皮膚の状態が悪くなったり、成長の遅れが出てきたり、腎臓や肝臓のトラブルが発生したりします。
必須脂肪酸のα-リノレイン酸
人間の体で合成できないもう一つの脂肪酸として、α-リノレイン酸があります。リノール酸と同じように、毎日意識して食事の中で摂る必要があります。
α-リノレイン酸と言えば亜麻仁油がとても有名です。亜麻仁油を効果的に摂取することによってアトピーを改善に導くという方法で治療する医者もいるほどなのです。
