ステロイドの副作用

「アトピーには、ステロイドと言うけれど？」
アトピーの治療薬として、一般的に使われているのがステロイドです。
ステロイドをアトピーの炎症を起こしているところに塗ると、たちまち炎症が治ります。しかし、実は炎症は「治った」のではなく、「治ったように見えるだけ」なのです。
どういう事かというと、人の体には、害のある物質から身を守るために、細胞が戦っています。アトピー性皮膚炎は、体に害のあるものを入れまいと自己防衛が働いている、いうなれば、正常な状態です。「身を守るために戦え」、「戦いをやめよ」という指令がそれぞれ、バランスよく出されているわけですが、「戦いをやめよ」という指令は、副腎皮質というところから出されています。

そのホルモンに似た働きをするものを、人工的に作ったのがステロイドです。有害な物質に対して、「危ない、戦え！」と体から命令が出ているのに、ステロイドを、必死に戦っている部分（アトピー性皮膚炎）に塗り込むことによって、「戦わなくていいよ」と嘘の指令をだして、自分自身をだますわけです。そうすると、細胞が自己防衛を行うのをやめ、炎症はたちまち消えていきます。わたしも、ステロイドを恐れつつも塗りました。そうすると驚くほどきれいに治まるので、反対に安心してしまい、せっせとこまめに、子供にぬってあげていました。

しかし、実際は治っているのではありません。本当の原因が体の中に残っているまま、ステロイドによって押さえつけられているわけです。数回ならともかく、長期間抑え続けることによって体の内外で支障をきたすのは、当然の結果なのではないのでしょうか。

ステロイド皮膚症とは？

肌から吸収されたステロイドは、体の中に蓄積され、薬の量が増えてくると、副作用が現れます。弱いステロイドでも、長い間にわたって漫然と使用していれば、同じことが起こってきます。

ステロイドの副作用
・皮膚が薄くなり、赤くただれる。じくじくすることも。
・皮膚が薄くなっているので、弱い力で掻いただけで、出血する。
・毛細血管が開きっぱなしになり、肉眼で見えるようになる。
・赤ら顔になったり、皮膚が黒っぽくなってきて、カチカチになる。
・副腎皮質の機能の低下。
・ホルモンが崩れることにより、免疫力の低下。感染症などの併発。

これらのステロイドの副作用によって起こる症状を、ステロイド皮膚症といいます。アトピー患者は、ステロイドによって知らないうちに、もっと治りにくい病気にされてしまっています。アトピー性皮膚炎を完治させるよりも、ステロイド皮膚症を治すほうが、はるかに難しく、ステロイドによって引き起こされた病気を治すために、さらに強いステロイドを塗り、最後にはひどい副作用に悩まされるようになるのです。

わが子のステロイド皮膚症の症状

問題ないはずだったのに、やはり弱い薬といわれるものでも、副作用があらわれました。
まず、皮膚が薄くなり、妙なしわができました。そして、薄いので傷つきやすくなりました。首の周りは気がつくと、赤黒っぽくなり、ごわごわしてきました。免疫力が落ちたせいか、顔や体に「はたけ」とよばれる皮膚病が広がりました。
気がつけば自分の子供も、知らぬ間にステロイド皮膚症にかかっていたのです。

これまでの毎日の治療（？）はなんだったのかわかりません。常識で考えてみても、とてもおかしな話ですが、残念ながら事実です。わたしの子供は、「弱いステロイドだからこのくらいなら全然問題ない。」とお医者さんに言われ、2年近くステロイドを塗り続けました。

しかし、結果はこの通り。医者はその場限りに抑えられる症状を親が求めてるとでも思っているのでしょうか？

それとも、大人になっても病院に通院しお金を払い続けてくれる患者をステロイドによって作っているのでしょうか？